裂田溝 さくたのうなで
所在地 | 那珂川市 |
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指定等の状況 | 未指定 |
エンブレム |
養老4年(720年)に成立した『日本書紀』の神功皇后紀に記された人工用水路で、那珂川から取水して山裾を流れる溝の総延長は約5.5kmに及びます。大きく張り出す台地を貫いて溝を掘り抜くなど一大土木事業といえます。開削時期は明確ではないのですが、奈良時代以前に開削されたのは確かで、国際交流の地であった筑紫の発展を支え続けました。
中世以降も溝の改修が続けられ、水田地帯の脇を流れる水辺の風景は今なお当時の名残をとどめています。
『日本書紀』に登場する人工用水路
裂田溝は、『日本書紀』に記載があり、神功皇后の「新羅征討」にまつわる伝承のなかに登場します。 その伝承では、「神功皇后が西の方を自ら討とうとして、神祇を祭祀しようとした。そして、神への御供えのための田(神田)をつくろうとし、その神田に水を引くために那珂川から溝を掘らせたが、迹驚岡(現在の安徳台)まで溝を掘ったところ、大磐がふさがって溝を通すことができなかった。皇后は武内宿禰を召して、剣と鏡を捧げて神に祈らせたところ、雷が激しくなり、その大磐を蹴り裂き、溝を通させた。そのため人々はその溝を裂田溝と呼んだ」とあります。 発掘調査では、とどろきの岡(現在の安徳台)の東側で立ちふさがった大岩と思われる花崗岩の岩盤が見つかっており、阿蘇の火砕流堆積物でできた台地を掘り貫いた跡とあわせて、当時の難工事の跡を見ることができます。
那珂川市キャラクター/
さるたくん
裂田溝沿いの一部では遊歩道や公園が整備されていて、古代の風情を感じながらの散策やウォーキング、ランニングを楽しむ人が多く訪れます。夏はホタルが舞い、運が良ければ翡翠の姿も見ることができます。新しく整備された裂田溝公園を起点にして、水路周辺の文化財の散策をより楽しんでいただけるようになりました。場所によっては、水に足をつけることができる場所もあり、夏の暑い日はとっても気持ちいいですよ。
アクセス情報
住所
裂田溝公園:
〒811-1244 福岡県那珂川市山田541-1
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国道385号を経て現地
西の都について
1300年前、筑紫の地に誕生した「西の都」。東アジアに華開いた壮大な国際交流都市のストーリーは、福岡県筑紫野市・春日市・大野城市・太宰府市・那珂川市・宇美町、佐賀県基山町に広がっています。